食育や健康に関するマンガ制作と販売の美健ガイド社より出版の「うつでもいいじゃないか!!」監修の岩本和也先生のインタビューです。

カウンセリング現場のプロの視点から「うつ」を新たに解釈、うつとは何か?どのような特徴があるのか?うつの予防とは?うつになってしまったら?マンガ監修に至る背景を詳しくご紹介します。

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〜日本人のメンタルはそんなに弱くなったのか?〜

Q1:自己紹介をお願いします!

A1:池袋でカウンセリングをしております。
過去3万件以上の実績がありますが、1万件を超えた頃から「辛い心労があっても頑張り過ぎであっても大丈夫な人と『うつ』になる人の差は心の問題ではなく、『体質』によって決定されているのではないか」と強く感じるようになりました。
そして経験を積めば積むほど、さらに確信を深めるようになりました。

Q2:岩本先生がマンガを監修されたきっかけは?

A2:うつ病になる方が近年急激に増えていることを目の当たりにし、健康のマンガを出版されている美健ガイド社にメールをしたことです。

Q3:そもそも『うつ』って、どういう状態のことを言うのですか?

A3:うつ病は『自分の身を守るための防衛機能』と考えています。
受け入れがたい状況や潜在的な危険な状態に晒された時、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムで、無理ができない体の状態になった時に、「これ以上頑張らせないように!」と脳をネガティブ思考にさせ、やる気を失くさせ、今までの人間関係を自ら解消させながら活動を抑えて身を守る術であると考えています。

Q4:『うつ』になる方は、どういった体の特徴があるのですか?

A4:血行が悪化していて、足にまで血流が行きわたらない。低体温で免疫力が低下しています。
『エコノミークラス症候群』というのを聞いたことがあるかと思います。座り続けていると、足の血流が悪化し、体の血流も悪化、最終的に体がガチガチに固まって、体の機能が低下していく状態です。
実は、日常生活の中でエコノミークラス症候群のような体になっていく人がいます。この体で無理をすれば、さらに体は固まり、血流が悪化、低体温化して、免疫力が下がり体の機能が止まっていきます。そして、動けない・何もできない状態になります。

Q5:主人公の井浦さんは『うつ』になる前はものすごく頑張っていましたが、『うつ』になった時は、体は悲鳴を上げていたということでしょうか?

A5:人類は太古から非常事態でも耐えうる機能を持っています。すなわち体が不調でも生き残るために不調を感じないようにして、頑張れてしまう機能があります。これを 失体感(しつたいかん) と呼んでいます。つまり、体のしんどさを感じないので、いくらでも無理をしてしまうのです。
ちなみに、心筋梗塞・脳梗塞・癌などの現代病にかかる方の中には、失体感で頑張れて、いきなり不調になって働けなくなる方が多くいます。
個人的には、うつ病の方が使う非常事態用の失体感までではないものの、軽い失体感を使って長年不調を蓄積させて起こる病だと考えています。

Q6:『うつ』の人は「疲れているのに眠れない」と言いますが、なぜですか?

A6:『うつ』は、体が冷えてガチガチに固まっていても、非常事態用の強い失体感を使って頑張ってしまうと話しました。当然、脳も非常事態と判断してしまっているので「何かあったら対処しないといけない!」と敏感に反応させて、常時、安心できない心理状態にしていきます。そうなると当たり前ですが眠れなくなるのです。

Q7:『認知症』と『うつ』との関連性はあるのでしょうか?

A7:元気だったおばあさんが足を骨折して寝たきり状態になったら急にボケてしまったり、気丈に頑張っていたお年寄りが引退したとたんにボケ始めた話しなどよく聞きます。
歳を取ると体は固まって血流は悪化していきます。活動が止まったとたんに一気に脳の血流の悪化から認知症になることもあると思っています。
認知症の面談件数がまだ多くはないのですが、経験上からは『うつ』と『認知症』の体の状態がとても似ているのを感じています。

Q8:『うつ』を予防する方法はありますか? また、もし『うつ』になってしまったらどうしたら良いでしょうか?

A8:『うつ』は体の血流が悪化し、脳の血流まで悪化した状態です。
一番大切なことは足を中心に体の血流を改善し、体温を上げていくようにすることです。
人それぞれの体質と生活習慣が絡み合っているので、「これをすれば良くなる」と言うものではありません。
とてもわかりやすい方法は、真弓先生の漫画を読んで、一つひとつどんな風にして自分の生活習慣に取り入れて改善していけるか、そしてやってみてどうだったか、試しながら実践してみると良いと思います。

Q9:岩本先生ご自身も、食生活や生活習慣を変えられたのですよね?

A9:私も体質改善では色々ノウハウはあったのですが、真弓先生の漫画を読んで生活改善していく方法が、一番効果がありました。
半年ぐらいで体が軽くさらに動きやすくなり、自然に8キロ減量していました。学生時代の体の状態に戻っていたのは本当に驚きでした。

Q10:最後に読者の皆様に一言お願い致します。

A10:『うつ』は、この30年間で10倍以上増えています。
しかし、日本人の心が急激に弱くなった訳ではありません。知らないまま自分の体にとって良くない生活習慣のツケが体と心を蝕んでいくのです。
一緒に学んで、自分に合った最適なライフスタイルを築いていきましょう。


岩本 和也先生 プロフィール
精神保健福祉士、産業カウンセラー、SBMカウンセリング所長。近畿大学卒業後、10年間大手メーカーに勤務。その後、日本社会事業大学精神保健福祉士養成課程を卒業。カウンセラーとして20年間、3万件近くのセッションを実施した中で、体に決まった変化が起こる人が不眠・うつになることに気付く。現在、不眠・うつからの回復と、真弓先生との出会いから、うつ予防と強くなる『心と体』作りのカウンセリングを行なっている。



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